ナサケモノの日記

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スピッツの初期の代表的なロック曲スピッツ「ハニーハニー」~スピッツが描く愚かな主人公たち~

今日はスピッツの初期の代表的なロック曲「ハニーハニー」を紹介していく。

世間には認知されていないスピッツのゴリゴリロックサウンド!

「ロビンソン」、「チェリー」、「空も飛べるはず」、「楓」などの代表曲とはだいぶサウンドに関しては全く別のバンドにすら聞こえるこの曲。
曲調はとても明るく、ギターサウンドが前面に出されたゴリゴリのロック。
この曲に「ハニーハニー」なんて甘い歌詞をつけてそれが様になるのはやはり草野さんの声や世界観が故なのだろう。
まずイントロの爆発感と遊び心。歯切れのいいギターサウンド。
世間一般でイメージされるされるスピッツのサウンドとは全く違うこの曲だけど根底にある世界観はやはり「スピッツ」なのだ。

掟を破っていく!ロックのあるべき姿を描いた歌詞

スピッツの歌詞の根底には常に「世間への反逆」というテーマがあると思っている。芸術家というのはなんらかの孤独やコンプレックスを抱えていることが多い。
今流行っているヒップホップもブラックミュージックもロックも迫害の中から生まれてきた。そんなロックの原点をスピッツはかなり突き詰めているバンドだと思う。
 
今回取り上げた「ハニーハニー」もそんな「反逆」の歌なのだと思う。
 
ハニーハニー 抜けがらの街で会おうよ 
もうこれで無敵だ 最後の恋
ハニーハニー月明かり浴びて踊ろうよ
罪の花をばらまきながら
抜けがらの街というのは主人公らが見る空虚な街並みのことなのだろうか。そしてそんな街で生きるための市民権等捨ててしまおうと決意した主人公は
自分達を「無敵」と称している。そしてもう生きながらえることのできない運命を悟り、それを「最後の恋」と表現している。「罪の花」という言葉も印象的だ。
世間的には罪とされることも彼らにとっては花のように美しいのだろう。
 
これは禁断の恋のようなものかもしれないし、駆け落ちの歌なのかもしれない。「ハニーハニー」という甘いタイトルとは裏腹にドロドロの純愛を歌っているのではないだろうか。
 
草野さんは世俗的なことを箱と示すことがある。フェイクファーという曲では「箱の外」=「今の延長線上にある未来ではないところ」を目指す主人公が描かれている。この曲では世界のことを「箱庭」と表現している。
 
サビの表現もまた草野節が効いている。
僕らに天国が落ちてくる日まで
という何とも投げやりなでありえない発想が草野さんらしい。
 
僕がこの曲で特に好きなのはCメロだ。
ギターのチョーキングと共に浮遊感のあるメロディー。
そんな神秘的なメロディーと共に二人の葛藤が描かれた歌詞が言葉では言い表せない気持ちにさせてくれる。
 
旅する二人は旅する 手探り 闇をかきわけて
離れた心のジェルが 流れて 混じり合って はじける夜に

スピッツの曲に登場する愚かな主人公たち

天国が落ちてくるなんてありえない。しかしそんなありえない夢を見続ける青年がスピッツの主人公なのである。
そしてスピッツファンの多くはそんな愚かな主人公と自らを重ね合わせ、魅了されてしまうのだろう。
 
スピッツのロックなサウンドとロックな歌詞が楽しめる「ハニーハニー」。是非一度聞いてみてほしい。